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漢字と書は面白い/嵯峨英徳(帶琳)

「漢字ブーム」や「書道ガール」が話題になっているが、ワープロで文字を書くことが一般的になっている現在、なぜ、今さら「漢字」であり「書」なのだろうか?
 その面白さについて、私の経験から少し愚考を述べさせていただきたい。
森田子龍と/石川九楊
 私は幼少時、王羲之をはじめとする六朝の書を鑑と見なす漢字作家の門下で書を始めた。書家の母の影響であった。その後、大学を除籍になった頃に書家を志し、書や中国学等関連諸学を学べる大学に再入学した。
 当時、母や同じく書家であった兄あるいは書壇の権威への反発もあって、いわゆる〝前衛書家〟などとマスコミ等に呼ばれていた書家の作品や書論に心引かれた。
 墨(筆)跡に作者の精神の動きと時間の経過に伴う変化が描出することを「凍れる音楽」と例え、「必ずしも文字を書く必要はない」として〝墨象〟という概念を提起した森田子龍。
 それに対して、文字イメージによる創作を重視し〝言葉を書く〟という行為にこそ書表現の本質を見て「書は文学である」とまで言う石川九楊。
 この現代日本で共に〝前衛〟と評されながらも一見全く相反するような両者の見解が、漢字圏における伝統的芸術観を捉えているという点で、いずれも正鵠を射るものと私には思われたのだ。「都政新報・電子版」(http://www.tosei-d.com/)にご登録頂くと全文をお読み頂けます。



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