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葉っぱ切り絵アーティストリトさんに聞く/葉っぱに映す「多様性」/手をつなぐ作品たち/未来へ続け

 「ずっとずっと、みんなを見守ってるよ」─こんなタイトルが付けられた1枚の葉っぱがある。大樹の周りには、手をつなぐ森の動物たち。1枚の葉っぱから精巧にくり抜かれた切り絵は、動物たちのストーリーを想起させる。
 「葉っぱ切り絵」で知られるリトさんの作品は、自然と切っても切り離せない関係にある。1枚の葉っぱを精巧に切り取って動物をかたどっていく。
 「毎日公園を歩くから、木が切られているのを見ると、もったいねえ! って思っちゃう(笑)。お宝なのに、みたいな。僕にとって、葉っぱはすごく大事なものなので」
 作品を「額縁」として彩るのは、都市の中にある自然だ。
 リトさんが作品を生み出すことになったきっかけは、自身の発達障害がスタートだという。ADHDの特性である過集中やこだわりを生かし、葉っぱと向き合った。元々は会社勤めをしていたが、9年ほどで退職。試行錯誤を繰り返しながら創作を始め、それをSNSで発信すると、たちまち反響が広がった。
 作品で森の動物たちを描く上で意識していることがある。蛇や虫を登場させることだ。「蛇って正直、女性にはあまり好まれないんですけど、『怖いから』とか『気持ち悪いから』ってハブられるのは、ちょっとかわいそうじゃないですか。森の動物たちでやっているのに、『気持ち悪いからこの子はだめとかって』っていうことは、したくないので」
 作品には環境保全やリサイクルをテーマにしたものもあるが、「作品の中に自分の思いを込めないように気をつけているんです」とリトさん。あくまでも、作品をシンプルに楽しんでもらうという考え方だ。それでも、葉っぱを題材にして「除け者、嫌われ者」になりがちな者たちとも手をつなぐ彼の作品たちは、都市の緑や持続可能性、多様性社会……現代社会が抱える様々な課題と、目指すべき未来を体現しているように感じる。
 自らのADHDと向き合いながら、リトさんはどんな思いで「葉っぱ切り絵」を生み出しているのだろうか。=2面に「リトさんに聞く」
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