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新春特別企画/旅が広げてくれる世界/分かち合いを当たり前に/SHIFT80代表/坂田ミギーさん

 働き方改革が叫ばれる昨今だが、大量の仕事を前に、気付けば休みの日も仕事のことで頭がいっぱいで「しんどい」と感じる人もいるのではないだろうか。「そんな時は旅がおすすめ」と話すのは、ケニアにあるアフリカ最大級のスラム地区「キベラスラム」の仲間とともに、環境や人に配慮したエシカルアパレルブランド「SHIFT80」を立ち上げた坂田ミギーさん。31歳の時に過労で倒れ、「このまま仕事一筋で走っていても幸せになれない」と世界一周の旅へ。その体験をもとにした著作『旅がなければ死んでいた』に描かれるのは、広大な砂漠に7日間だけの街を作る祭典「アフリカ・バーン」や、ギリシャのヌーディスト・アイランドで全裸のテント暮らしをしたことなど、読者の価値観を強く揺さぶる突飛なエピソードばかりだ。東京都のスタートアップ支援事業も活用しながらSHIFT80の事業拡大に取り組むミギーさんに、旅の魅力やブランドに込めた思いなどを聞いた。

■普段と違う自分になれる旅
 約1年にわたる世界一周の旅で得た教訓を一言で言うと、「人間万事塞翁が馬」。旅に出たのは広告業界で働く中、過労で倒れ、吐血したことがきっかけだった。さらに彼氏に浮気されて別れを告げられ、心身ともにボロボロの状態で日本を出発しモンゴルに向かった。
 しかし、旅の途中でケニアを訪れたことが、後に環境や人に配慮したエシカルブランド「SHIFT80」を立ち上げるきっかけとなった。旅の最終地点のロサンゼルスでは未来の夫となる男性にも巡り合う。「最悪な出来事も後から思うと、あれがあったから今が良くなったんだなと思います」との言葉に説得力がある。
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