東京の死角(19)/兵庫県知事選から都議選へ/報道の中立原則が問われている/地方自治ジャーナリスト 葉上太郎 「報じるべきだ」という意見がかなりあった。しかし、最後は編集幹部の決定で投票が終わるまで待つことになった。もう、ほとんどの人が知らないだろう。1992年の参院選で「事件」が起きた。愛知県選挙区に立候補したタレントの新間正次氏が学歴詐称をしていたのだ。 その事実を選挙期間中につかんだ新聞社があった。社内では投票日前に報じるかどうかで議論になった。記事化すれば選挙結果に響き、おそらく落選するだろう。公選法に触れるのではないか。中立性に欠けると指摘されかねない─。結局、中立原則を優先させて、選挙後に報じた。新聞社には「なぜ投票前に教えてくれなかったのか」と苦情が相次いだ。 ◆都政新報・電子版(http://www.tosei-d.com/)にご登録(有料)することで全文をお読みいただけます。
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