| 物を減らして自分を見直す/40~50代のデジタル整理術/文京区文京保健所 中臣昌広私の整理した物を見て、妻が言った。 「驚いた。こんなに少なくなって。10年前と比べたら10分の1に減ったわね」 主に週末を作業日に使い、約3カ月間をかけて整理し終わると、本棚4段に全てが収まった。辞書、本類、趣味や思い出の品、過去の原稿掲載紙誌、保存資料などだ。私の背中を/押したもの きっかけは、年末にできた休暇だった。できものを手術して、数日間の自宅休養をとる予定になった。手術を控えて、妻が言った。 「術後のリハビリのために少しは体を動かさないといけないわ。そうそう、今日、新聞の折り込み広告でいい物を見つけたの」 ゆっくりと、本を読んだり文章を書いたりしようと思っていたのだが。 話は続いた。 「約1万円の写真専用のスキャナー機よ。これを買って、スチール棚や段ボールにぎっしり詰まった写真をデジタル化して捨てたらどうかしら」 その前にぽつりと漏らした妻の言葉が耳から離れない。 「年末年始を含めて、そんなに多くの時間、顔を突き合わせていたら、うっとうしくてしょうがないわ。1日3食用意するだけでも、うんざりしてくる」 私の背中を押したものがあった。被災地支援活動の気仙沼市で見た光景だった。津波で流された写真類が、土が付いた状態で持ち主を探すために体育館に並べられていた。
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