| 医師アカデミーと東京の医療/病院経営本部医師アカデミー名誉顧問 高橋俊雄医師不足からアカデミー創設へ 医師は東京に集中しているとよく言われるが、病院勤務医についてみると、決してそのようなことはない。確かに開業医を含めた2009年度の厚生労働省の全医師数の統計では、人口10万人当たり1位京都府(272・9人)、2位徳島県(270・1人)、3位東京都(265・5人)と東京都は全国第3位である。 しかし、東京の医療施設を受診する患者は都内在住者だけでなく、近県からの患者も少なくない。近県の医師数をみると、埼玉県47位(135・5人)、茨城県46位(146・7人)、千葉県45位(153・5人)と全国最低レベルである。これを首都圏(東京、埼玉、千葉、栃木、茨城、群馬、神奈川)の全体人口(4086万8971人)でみると、人口10万人当たりの医師数は189人と全国平均(206・3人)を大きく下回る。しかも、これは開業医を含めての医師数である。これを首都圏病院勤務医(5万6872人)だけに限ってみると、人口10万人当たりの病院勤務医数は139人と、全国でも医師数は少ない方であることが分かる。 加えて、都立・公社病院は近県からの患者が約3割を占める。医師は極めて多忙で、医師不足は深刻な問題である。特に産科医、救急医、小児救急医不足は待ったなしの状態で、患者のたらい回しや診療拒否など、都民やマスコミから批判を受けたこともしばしばあった。「都政新報・電子版」(http://www.tosei-d.com/)にご登録頂くと全文をお読み頂けます。
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