| 視点/生活保護/危険性はらむ「思考停止」 路上生活者の生活保護申請を却下したのは違法─。新宿区で路上生活をしていた男性が新宿区長らを相手取り、生活保護申請却下の取り消しなどを求めていた訴訟の控訴審で、東京高裁は18日、区側の訴えを棄却し た。24日に区が上告を断念したため、高裁の判決が確定する。法令に照らせば、区側に不利な点が多かった今回の訴訟。都区の生活保護行政の現場では「決着すべきところに決着した」と見る向きが大半だ。ただ、法令上の整合性のみを根拠に生活保護行政を運用することは、本当に保護を必要とする人に支援の手が回らなくなる危険性をはらんでいる。 2008年7月7日の提訴日にちなんで「七夕訴訟」と呼ばれる今回の裁判。原告の男性は新宿区内で路上生活をしていた同年6月、区に生活保護を申請したが、自立支援システムの利用を勧められ、3回にわたって申請を却下された。男性はかつて同システムを利用していたものの、自立支援センターでの集団生活になじめず、「生活保護を受けてアパートに入居しながら求職活動をしたい」と主張していた。「都政新報・電子版」(http://www.tosei-d.com/)にご登録頂くと全文をお読み頂けます。
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