| あぁ極楽 銭湯の魅力 庶民文化研究家/町田 忍銭湯巡りスタート 今から32年前のこと、我が家にオーストラリアから友人が来た時に、話はさかのぼる。 せっかく日本に来たのだから伝統的な日本の文化を体験させるべく、当時近所にあった純和風の宮造り様式の銭湯へ行くこととなった。彼はその銭湯を見るなり、「なんでお寺や神社のような形なの?」という質問を私にしたのだった。 しかし、自分でも子供の頃より通っているし、いまだかつてそんな疑問を持ったことはなかったので、答えられなかった。異文化の国から来た人は的を射た質問をするものだと思った。 さて、一度そんな質問をされて以降、街中の銭湯が気になってきた。 折しも地上げの盛んな時代、広い敷地に建つ銭湯からマンションなどへと代わることの多かった時代でもあった。 ある時、近所の銭湯が廃業することになった。その時思ったことは「ひょっとすると、これらの銭湯は記録されることなく消えてしまうのではないか」という危惧だった。 それ以降、私の銭湯巡りがスタートした。最初は自転車を利用して、それが全国へと広まるのに、そう時間は要さなかった。現在では北海道から沖縄まで、約3200カ所ほどの銭湯を訪ねている。「都政新報・電子版」(http://www.tosei-d.com/)にご登録頂くと全文をお読み頂けます。
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