東京の宰相~石原都政12年の盛衰<第1部> 職員アンケート(4) 石原都政を簡潔に表現すると、「思いつき」「劇場型」「パフォーマンス優先」「緊張感」「自己中心的」――。自由意見では、こんな言葉が目に付く。 中でも、多かったのは、「ワンマン、恐怖政治」という声。 1期目後半から2期目にかけて、有能な幹部の早期勧奨退職に加え、知事の判断を仰ぐには、その前に「お手紙」で濱渦副知事にお伺いを立て、機嫌を損ねると、都幹部が「詫び状」を書かされた。こうした独裁体制で臨界点となったのが、05年の都議会百条委員会だった。濱渦副知事、桜井巌出納長が民主党を巻き込んで疑惑を捏造し、知事をミスリードした責任で辞職に追い込まれる。知事は懐刀と都政の官房長官を同時に失った。 この後遺症は今も解消されず、知事サイドに対する不信感は強く残る。 「側近重視の弊害で、権限があっても責任がない側近の存在が優秀な人材を潰すなど、悪い影響があった」(課長級) 「知事と職員の間に未曾有の溝ができ、埋まるどころか広がる一方だった」(同) また、「人事では、人材の使い回しが目立った。耳当たりのいいことをうまく言う人が重用されたという印象が拭えない」(同)という指摘もあった。 (続きは本紙でお読み下さい)
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