東北・関東で巨大地震/東京で震度5強帰宅の足を直撃/計画停電でも首都混乱 11日、午後2時46分ごろに発生した東日本大震災は、大津波により東北、関東の太平洋岸に壊滅的な被害をもたらした。地震の規模は、関東大震災(M7・9)を上回り、国内観測史上最高のM9・0だった。最大震度は、宮城県栗原市で震度7、東京でも震度5強を記録した。この地震により、都内では6人が死亡。都は地震直後に、災害即応対策本部を設置した。また、東京電力の発電所の被害により、14日からの計画停電が発表され、都民の暮らしに大きな影響を及ぼしている。 (続きは本紙でご覧下さい)
<14日の石原知事臨時記者会見の内容(要旨)>
先般の東北地方太平洋沖地震で亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りするとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げる。 現地では時間の経過と共に、未曾有の被害が広範囲で明らかになっており、まさに国難と呼ぶべき事態。被災地にはこれまで、首都圏の電力需要を支えて頂いてきた。こうした事態にあって、国家にも匹敵する様々な対応力を有する首都東京の責務として、あらゆる手立てを尽くさなければならない。 今回の地震は、今後の首都における震災対策上、極めて重要な教訓をもたらした。これまで準備してきた想定・対処手順を改めて見直し、近年、急速に発達・普及しているインターネットなど新しい技術もより効果的に活用していく必要がある。全庁を挙げてこれに取り組み、できることから対策を追加していく。 併せて、今後、余震が続くと考えられることから、家具の転倒防止策を講じるなど、それぞれの家庭・地域でできる備えを固めていただくようお願いする。
■被災地の支援 激しい津波の爪痕、想像を絶する現地の被害が、刻々と我々に伝わっている。既に警察・消防の部隊(人員1094名、ヘリコプター8機、車両194台)、DMAT24隊・医療救護班5班(医師46名、看護師など79名)、給水チーム(給水車5台)及び上下水道の復旧先遣隊を派遣した。医療チームを羽田空港に常駐させ、都立病院を含め都内の救命救急センターへの負傷者受け入れも開始している。 引き続き、救命救急活動・復旧復興活動のために、さらなる人員の派遣や物資の搬送は当然のこと、考えられる全ての協力を全力で行っていく。 そのための具体策を立案し、必要な財源としても百億円単位で準備をするよう事務方に指示した。三宅島全島避難の経験も活かし、現場の実情に即した手立てを速やかに実行していく。
■放射能の対応 今回の地震では、福島第一・第二原子力発電所に大きな被害が出ている。事前の想定をはるかに超える事態であり、私も、この土日に原子力の専門家・電力の専門家から話を聴いた。 放射能が飛散したために、「被曝」という言葉が必要以上に強調され一人歩きをしているが、冷静に。都民の皆様には安心をしていただける様に、現在、収集した情報を整理しホームページで公表する準備を進めている。都としては、すぐに放射能の数値を観測する。
■節電の徹底 一方で、現在、原子力発電所に止まらず、5つの火力発電所が運転を停止しております。このため、首都圏で必要とされる電力量4100万キロワットに対して、3100万キロワットしか供給できない状況になっている。 必要な電力量の4分の1が不足する、かつてない非常事態にあって、東京電力は、地域をあらかじめ設定して停電を実施する、いわゆる「計画停電」を行うとしている。 これは現場レベルでは様々な困難が伴うものであり、医療機関での活動を制約し、水道でも断水・濁水が発生するほか、下水の排水処理や交通へも大きな影響が出る。国の準備、事前の情報提供が決定的に不足する中にあって、都は現場として、できる限りのことを行っております。昨日までに、病院における自家発電の点検など対策を既に指示いたしました。 「計画停電」を行ってもなお電力が不足すれば、突発的な停電が発生し、テレビ・携帯電話から必要な情報を得ることすら不可能になります。大きな混乱・不測の事態を招きかねない。また、電力は、被災地での医療活動・復旧活動にも必要不可。節電は自らの生活を守るだけでなく、被災地の復旧を後押しすることにもつながる、一人ひとりができる支援策でもある。東京都としても東京商工会議所などの業界団体、都内に大規模事業所を抱える企業等に要請をいたします。また、都自らも「省エネ・節電緊急対策本部」を中心に、都庁舎をはじめ関連施設の節電対策を開始する。 都民、首都圏の皆さんは、▽自宅ではエアコンの設定温度をさげて下さい。健康な方は、思い切ってエアコン、電気カーペット等電気を使う暖房器具を切り、厚着をしてしのいで下さい▽オフィスにおいては、照明を抑えて下さい。▽店舗のネオンサインや看板は消灯し、営業時間を短縮して下さい。▽使用していないパソコンなどのプラグをコンセントから抜いて下さい。
都としても現場をできるだけ見て、状況を確認していきたいと思います。今すぐにできる取組みを、被災地を支援するという想いで積み重ねて、東京と首都圏が一致して力を合わせて国難を克服していきたい。
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