| 私の東京ストーリー~若かったあの頃(1)/ファインダーの向こう側 写真の少年たちの笑顔、そしてはにかんだ表情を見てほしい。多分、昭和39年の冬、誕生日かクリスマスだろう。カメラのファインダーをのぞく親父の幸せそうな表情が目に浮かぶ。 今夏、私は故郷を去った。都の辰巳深川の大川端門前仲町。60年前に生を享け、生まれ育った家屋がこの7月、故あって人手に渡り、取り壊しとなった。20坪程の我が家ではあったが、私にとって掛け替えのない故郷であった。 実家は「大井商店」という干鰯の肥料問屋で、明治時代から佐賀、永代、扇橋等を根拠地として商い、父は3代目、大正10年に生まれ、関東大震災、太平洋戦争を経て、一時非常な隆盛を誇った時代もあったようだが、戦後の化学肥料勃興により、昭和30年代の初めに倒産の憂き目を見た。
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