| 震災受け、問われる「公」/石原知事4選 庁内の声 10日に投開票が行われた東京都知事選挙では、現職の石原氏が大差で4選を果たした。大震災に対する自粛ムードで、異例の選挙戦となったが、東京の防災対策や危機対応等を争点に現職が強みを見せた。今回の知事選の結果や4期目の石原都政の課題と期待などについて、庁内の声を聞いた。
都知事選は、大震災の影響で選挙運動が自粛され、その一方、震災対策に奔走する知事の姿をテレビ等で都民が目にすれば、現職有利は明らかであり、高齢・多選を割り引いても想定された結果だった。有権者にとって不幸だったのは、候補者による討論会も十分に行われず、健全な政策議論がないまま、今後4年間を託す人を選ばざるを得なかったことだ。 当選後の記者会見で知事は「同じことをやるしかない」と言った。行政の継続性から言えば、知事の言うことはその通りである。しかし、最近の都政の状況が継続されるという意味であるとすると、非常に暗澹(あんたん)たる思いだ。政策面での枯渇に加え、財源見通し、我々職員の人材育成など、課題山積だからである。 当面、震災支援対策に割かれる場面が多いと思うが、当選した今こそ、都の防災対策をはじめ、インフラの更新など都市基盤整備や福祉、教育など、都の抱える問題に正面から取り組み、4年間に何をするのか、具体的に示さなければ、260万票という得票を裏切ることになりかねない。 そのためには、職員自身も知事の都政に対するモチベーションの低さに責任転嫁するのではなく、都民が安心できる政策を提案し、都民から信任を得る努力をしなければならない。 (50代・本庁部長)
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