「多文化共生社会」への第一歩/社会福祉法人愛成会アートディレクター小林瑞恵 今年はリオデジャネイロでオリンピック・パラリンピックが開催され、それが終わるといよいよ東京の番になります。文化の分野では、大会の公式行事として文化プログラムが今年から本格的にスタートすることになりますが、その柱の一つとなるのが「アール・ブリュット」です。 アール・ブリュットとは「生(き)の芸術」と表されます。美術の専門教育を受けていない人が、独自の方法と発想で制作した芸術作品を指します。 日本では「障害者アート」と思われることがありますが、これは日本では福祉の現場から発展したために受ける印象で、世界では障害者だけではなく、独学で創作活動に取り組んでいる健常者から精神病患者、霊を降臨させて絵を描く「交霊術」、アフリカの未開地の作家など、作品の幅が広いことが特徴です。
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