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小池都政1年/【第一部】政治姿勢を問う(上)/意思決定/職員の意見、聞く耳乏しく

 ある事業局の執務室。時計の針が午後2時55分を指すと異様な光景が広がった。大半の職員が事務作業を止めて立ち上がり、庁内放送のラジオ体操の音楽に合わせて真剣な表情で運動を始めたのだ。ラジオ体操を終えた女性職員は「心身ともにリフレッシュができ、仕事の効率が上がるだけでなく、職場のコミュニケーションもラジオ体操によって増えた」とすっきりした表情で語った。
 ラジオ体操の実施を決めたのは小池知事だ。ロンドン五輪の文化プログラムの一環として、大勢のダンサー、子供たちがトラファルガー広場で一斉に踊った「ビッグダンス」の映像を見た知事は「素晴らしい」と感動し、日本を象徴する取り組みとしてラジオ体操を思い付いたという。また、知事は「みんなでやったら盛り上がる」と幹部職員に持ちかけ、ラジオ体操を東京五輪の機運醸成として活用することを決定した。事業局の幹部は「婚活の取り組みなどのように、知事は都民が盛り上がることを打ち出す傾向にある」と解説した。
 ラジオ体操は実施するだけにとどまらず、PR動画の制作も自ら決めた。都のゆるキャラを総動員した動画だけでなく、第2弾として職員バージョンの制作に当たっている。2日の午前中に都民広場に100人以上の職員が集い、Tシャツ、ズボン姿の知事が一緒にラジオ体操する様子を録画。また、別の日には4人の副知事がラジオ体操をする姿を撮影したという。 
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