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五輪輸送計画/市場移転混迷で暗雲/輸送拠点など着工できず

  東京五輪成功の鍵を握る交通輸送計画。大会期間中に訪れる選手や大会スタッフ、観客らの円滑な輸送に欠かせないが、市場移転延期が同計画に深刻な影を落とし始めている。都が築地市場跡地に整備予定の輸送拠点や、同跡地を通る環状2号線(環2)などの工事に移れないでいるためだ。小池知事は10日の記者会見で、「豊洲市場への移転を全力で進める」とし、臨時会で関連の補正予算案成立を目指す異例の方針を示したが、背景にはリミットが迫る大会準備への焦りも見える。
 「築地市場撤去のスケジュールが見えないのは致命的。深刻な状況だ」。中央区の吉田不曇副区長は、こう語った。
 同区は晴海に建設中の選手村を抱えるとともに、鉄道輸送の窓口である東京駅八重洲口もあり、大会期間中、大量の人が押し寄せる。ところが、市場移転問題の影響により、輸送拠点候補地の築地市場跡地の活用スケジュールはいまだに固まっていない。吉田副区長は「更地にするのは来年秋が理想で、リミットは2019年2月」と警鐘を鳴らす。
 都は同スケジュールを巡って7月21日に開催した関係局長会議でイメージ案を提示したが、資料には「整備内容や期間は精査中」と書くのみで明示できずにいる。こうした状況に地元の中央区では、「市場移転問題がネックになって、全てのことが頓挫している」との声も聞かれる。
 
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