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都市のレガシー2~1964年東京大会の遺産(1)/はじめに/1都4県に及んだ競技会場/都都市整備局 長谷川昌之

 前回の連載(2017年)では、過去にオリンピック・パラリンピック大会が開催された海外の3都市を実際に巡り、都市の歴史や大会の会場全体計画(ベニューマスタープラン)の紹介、大会後の都市づくりの様子とレガシーについて報告した。2020大会まで残り2年を切り、会場となる施設の整備も着々と進み、大会運営も次第に具体化してきている。そこで舞台を東京に移し、1964年の東京大会について眺めてみたい。
 中でも『1964大会公式報告書』や当時の建築専門雑誌等の記録などから、会場全体計画や都市改造、施設整備の経過、現在の状況等について紹介し、大会から半世紀以上経過した今も東京に残る「都市のレガシー」に焦点を当ててみたい。
   ◇    ◇
 最初に、大会規模について見ていこう。前回の連載でも書いたが、1984年にロサンゼルスで開催された商業主義の大会以降、大会規模は右肩上がりで拡大している。
 1964大会と2020大会を比べると、競技数が19から33、参加国が94から約200となり、選手数も約5千人から約1万人と増えている。この数字だけで見ても1964大会の規模は、2020大会の半分くらいである。それでも競技は種別(水泳なら競泳、水球、高飛込等)によって異なり、予選もあるため、会場が複数に分かれる。その結果、1964大会の競技会場は32カ所もあり、1都4県に及んでいる。

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