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■平成と都政を振り返る/臨海副都心/衝撃だった都市博中止

 ◆臨海副都心/衝撃だった都市博中止
民間への補償に追われる
 かつては交通インフラも不十分な「陸の孤島」。都政関係者の間では公然と「負の遺産」と揶(や)揄(ゆ)された。しかし近年は、豊洲・晴海などを中心に高層マンションが林立。臨海部は都心回帰の立役者となっているが、その道筋は平(へい)坦(たん)ではなかった。
 「ずっと積み上げてきたものが目の前でガラガラと壊れ、頭が真っ白になって体から力が抜けていくような感じがした」。世界都市博覧会(都市博)を中止した当時、東京フロンティア推進本部で入場券の販売促進を担当していた土渕裕・会計管理局長はこう振り返る。
 準備段階では、チケット販促のため、貴乃花など有名力士を呼んだイベントを開くなど、「華やかでイケイケ・ゴーゴーの世界」(土渕氏)だったが、都市博中止を公約に掲げた青島知事が1995(平成7)年に就任すると、風向きが変わった。「初登庁から中止決定までの約1カ月間は全てが宙ぶらりんだった」
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