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現場最前線/東京都公園協会植物多様性センター/絶滅危惧種の保護に一役/4年半かけて生態解明

 絶滅危惧植物の保全などを専門に行う都の施設が神代植物公園(調布市)内にある。今回、「植物多様性センター」の職員が絶滅危惧植物「ヒナワチガイソウ」の生態を約4年半にわたる研究の末、解明した。都内でも1カ所のみに自生する貴重な植物で、過去の研究事例もないことから生態が不明とされていた。今後は保全団体と協力した繁殖活動や団体へのノウハウ伝承などが課題となる。

 「あっ、根が増えている。こんな増え方をするのか」─。照井進介・植物多様性センター長が観察中に息をのんだ。ヒナワチガイソウが種子だけでなく、サツマイモのように「塊根」を作りながら根からも繁殖するという特殊な種であると分かった瞬間だ。この発見は世界初だという。
 照井センター長らが研究に取り組んだヒナワチガイソウは、ナデシコ科の高さ10センチ程の植物で、都のレッドデータブックでは近い将来、野生での絶滅の危険性が極めて高いとされる「1.A類」に分類されている。全国的にも四国など一部の地域のみに分布する貴重な植物だ。
 同センターは生態の解明に向けた約4年半にわたる研究成果を昨年12月の都建設局の技術業務体験発表会で示した。 
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