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社説/都議会、本格的な論戦スタート/「未来への道筋」検証を

 
 第1回定例都議会は、きょう26日の代表質問で本格的な論戦が幕を開けるが、今議会は出だしから大荒れの様相だ。
 今年度の最終補正予算案に盛り込んだ築地市場跡地を市場会計から約5600億円で一般会計に売却する有償所管換えに関し、自民や共産などが知事に直接、一問一答で考えをただす場を設けるよう求めて調整が難航。初日の知事の施政方針表明が翌日未明にずれ込む波乱の幕開けとなった。
 小池知事は2017年6月、「築地は守る、豊洲を生かす」の考えの下、築地市場跡地を食のテーマパーク機能を有した拠点とし、民間への長期貸し付けで年間160億円の収入を得るスキームを示していた。有償所管換えは事実上の方針転換となり、長期貸し付けが机上の空論だったことを裏付けた形だが、方針転換の理由は説明がない。
 豊洲市場整備時の企業債返済や、今後の市場会計の維持を考えれば、有償所管換え自体は現実的な判断だが、一般会計から巨額の税金を投じる以上、説明は当然だ。議会が十分にチェック機能を果たすことなく予算執行となれば、将来に禍根を残すことにもなる。
 そもそも、なぜ本予算ではなく補正予算なのかも分かりにくい。「予特での一問一答を避ける作戦」と勘繰りたくもなる。都民の行政に対する不信感にもつながるだろう。
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