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クレーム処理の兵法~弁護士が指南する対応(1)/対応の基本は質とスピード/設例/解説

 クレームの怒鳴り声、執(しつ)拗(よう)な苦情、職員のミスに付け込んだ裏取引─。住民サービスに当たる行政の窓口には日々、相談だけでなく、理不尽な苦情も寄せられる。職員はどのような姿勢でクレームに向き合えば良いのか。東京弁護士会の「民事介入暴力対策特別委員会」で委員を務める弁護士に、実例を踏まえて処理の「兵法」をアドバイスしてもらう(全5回)。

設例
 補助金の申請で役所側に処理上のミスがあり、クレームが生じた。その後、事実関係を確認の上、申請者に連絡するはずだったが、担当者がおっくうがって先送りしているうちに連絡を失念したり、代わりに対応した同僚の説明が食い違ったりしたことが積み重なり、クレームが激化してしまった。連日のように申請者からクレームの電話が入り、どんなに謝罪と説明を繰り返しても申請者が納得せず、らちがあかない─。
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