| 新・橋を透して見える風景(11)/鉄道院の紋章/土木と建築の二刀流技術者 私の実家は八王子の寝具店で、3世代が同居していた。私はおばあちゃん子で、小さい頃はどこに行くにも一緒だった。その中でも楽しみだったのが、祖母と行く日本橋や新宿のデパートであった。「あっちゃん、省線に乗って東京行こうか」。こう切り出されると小躍りして喜んだ。
「省線」は中央線が正式名であることは小学校高学年になってから、そしてかつてあった鉄道省から来ていることは高校生になってから知った。鉄道省は1920年から43年まであったJRの前身である。戦時中、出征した祖父に代わり週1回、省線に乗り日本橋に仕入れに出かけていた祖母にとって、国鉄という響きよりなじみ深かったのであろう。 ◆都政新報・電子版(http://www.tosei-d.com/)にご登録(有料)することで全文をお読みいただけます。Facebookページ(http://www.facebook.com/denshiban.toseishimpo)の「ちょこっとタダ読み」で記事の一部をお読みいただけます。
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