前回は来る都知事選に向け、野党が統一候補を擁立できなければ野党としての責任を果たせないのではないかと言及した。だが、実際の擁立作業は自民党と同様、難航を極めている。
候補者として名前があがるのは前川喜平元文部科学次官や立憲民主党の蓮舫参院議員である。特に蓮舫氏は都知事選の度に名前が挙がるようなイメージがあるが、具体的な動きにつながったことがない。昨年、蓮舫氏について「出馬する」「いや、出馬する意思はない」などという大手メディアの憶測記事も流れた。
確かに2016年の参院選で100万票以上を獲得した彼女が出馬すれば、これは小池百合子都知事にとっても脅威というほかないだろう。しかし、当の蓮舫氏は現在、立憲民主党の副代表であり、参院幹事長。さらに国会の〝華の舞台〟といえる予算委員会の野党筆頭理事という要職を兼任している。同じ野党会派の他の議員との確執も一部ささやかれていたものの、当人は与野党筆頭同士の会談にテレビカメラを招くなど、やる気マンマン。また、立憲の東京都連においても、側近議員とともに力を持っており、そんな状況下でおいそれと負け戦になるかもしれぬ都知事選に打って出るとは考えにくい。