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節電の夏、過ぎて~23区の電力危機(上)/率先行動か サービス維持か

 東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、各区が7月から9月を中心に取り組んだ節電。電力使用のピークとなった7月と8月の各区の節電状況を見ると、本庁舎では、ほとんどの区が自ら設けた目標値を上回る節電を行ったことが本紙のアンケート調査で分かった。原発事故という非常事態の中、手探りの取り組みとなった大規模節電。今夏の大きな行政課題は区に何をもたらしたのか、検証する。

■ほぼ目標値を達成
 この夏、23区が節電に取り組んだ背景にあるのが計画停電の懸念だ。国は7月1日から9月22日までの間、平日午前9時から午後8時までの使用最大電力の15%削減を目標に掲げ、契約電力500キロワットの大規模需要家には、使用最大電力の昨年同期比15%削減を義務付けた。併せて、その他の事業者や家庭等にも、努力義務として15%削減を一律に求めた。他方、東京電力は電力需要が逼迫して計画停電を行う場合でも、23区は対象外とした。
 これを受け、区長会は「電力需要が大きいにもかかわらず、計画停電の対象から外れた特別区は、率先して取り組みを行う必要がある」(西川太一郎会長)として、各区に施設や事業での使用電力を15%以上抑制する目標設定を求めた。
 ほとんどが大口需要施設となる23区の本庁舎では、総電力使用量と使用最大電力量の違いはあるものの、全区が前年同月比15%以上の削減目標を設定。7月と8月の節電結果を見ると、7日現在で未確定となっている目黒区と大田区を除き、未達成は荒川区の8月のみとなった。同区では「耐震化工事で、休日や夜間の電気使用があり、電力量が増えたため」と話す。
 また、港区は区有施設全体で総電力使用量の25%削減を目標とし、8月の本庁舎の削減量は暫定値で23%となったが、他の区有施設が約30%の削減となったため、トータルで目標を達成できる見通しとなっている。


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