| 伊豆大島のバスに乗る/交通局巣鴨自動車営業所 二坂英之 都職員なら誰もが知っている、港区海岸の健康診断施設。待合室の眼下には海が広がり、東京諸島へ向かう客船の姿を見ることもある。人間ドックのために検査着を羽織り、絶食し、今まさに胃カメラを飲もうとする人間にとってこの光景は自由の象徴であり、海面が輝きを増すほどに、島への憧れは強くなる。 「東京の島へ行こう!職業柄、島のバスに乗るという名目で」 公休日前、9月某日の終業後、私の足は竹芝へと向かっていた。23時発の夜行船に乗るためである。大島・利島・新島・式根島を経由して神津島へ行く便だが、離島初心者として今回は大島までの券を購入した。
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