| | 「アール・デコの館」東京都庭園美術館／（公財）東京都歴史文化財団東京都庭園美術館副館長 牟田行秀 当館は１９３３（昭和８）年に旧皇族朝香宮家の邸宅として完成した建物（本館）と庭園を生かした、ユニークな美術館として知られています。朝香宮鳩彦王と允子妃夫妻が滞欧経験を元に設計に携わり、主要な室内の装飾をフランス人インテリアデザイナーに委ねた「アール・デコ様式」の本館は、世界的にも貴重な建築例として高く評価され、現在は重要文化財に指定されています。
戦後、民間の所有となりつつも、引き続き外務大臣公邸や国の迎賓館として重要な役割を担ってきた旧朝香宮邸は、１９８１（昭和５６）年に所有者の西武鉄道（株）と東京都との間で譲渡契約が締結され、「旧白金迎賓館暫定利用検討会」での審議を経て、「美術館」として暫定的に公開する方針が示されました。
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