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都市と自然 畠山直哉

  東日本大震災から数年後、ある批評家の書いた論文の中で、僕は「加害者の側」にいると指摘された。「この僕が加害者?」と、泣きたい気持ちになった。
 僕は長い間、「自然に働きかける人間の力の途方もなさ」に目を向けてきた。美しかったり癒やされたりする自然よりも、人間によって大きく形を変えられた自然の方を写真にしてきた。もし、僕がよく撮るような石灰石鉱山に行って、その露天掘りの崖の上に立ち、眼下の巨大な穴を眺めてみたなら、そこを埋めていた岩石がすべて都市建設のために持ち去られたという事実に、誰でも慄然とするに違いない。見ようによっては自然破壊だが、「誰がそれを行っているのか?」と問えば、そこには「都市と自然」における大きな謎が現れる。
 
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