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今週の都政新報
 

東京から日本と被災地の復興を

 東北地方の被災地を歩くと、時折、見慣れたイチョウマークに出会うことがある。それは、時には防災服であったり、時には車両であったり。昨年3月11日以来、多くの東京都の職員が被災地に派遣され、現地の復旧・復興を支援してきた。
 被災地は今も、がれきが高々と積み上げられ、復興の足かせとなっている。被災者の多くが生活の糧を失い、将来への展望もなく、途方に暮れている。故郷を離れ、孤独な避難生活を強いられている人も少なくない。
 東京は、これまで被災地に食糧や電力などを依存し、豊かさを享受してきた。今、東京にも放射能の脅威をもたらしている原子力発電所のリスクも、ほとんど感じることなく、首都としての繁栄を謳(おう)歌(か)してきた。
 被災地に心を寄せ、被災者と共に復興の道を歩む。それは、単に恩返しというだけではなく、首都としての責務であり、災後の東京の避けられない宿命でもある。
 国は、民主党と自民党の2大政党が際限のない政争を繰り広げ、被災地の復興は二の次だ。東京電力福島第一原発の事故は、メルトダウンした核燃料の状態も分からないまま、壊れた原子炉に水を満たして、「冷温停止状態」を宣言した。ホットスポットの除染は始まったばかりで、被災者はこれから何十年も放射能の脅威に苦しめられる。
 大津波で壊滅した岩手県の沿岸の街を、見慣れた都バスが被災者を乗せて走っている。宮城県の小学校では、東京の先生が被災地の子供たちに囲まれている。
 「東京から日本を変える」は、石原知事お得意のスローガン。2012年、東京から被災地を復興しよう。

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