| | 主張／少年法「改正」と裁判員裁判（下）／福岡商業施設刺殺事件が問うもの ■少年事件を裁判員裁判に付す疑問
少年法は科学主義をとっており、刑事裁判にあっても同じであることは、「少年に対する刑事事件の審理は、第９条の趣旨に従って、これを行わなければならない」（５０条）に表明されている。すなわち、９条とは「前条の調査は、なるべく、少年、保護者又は関係人の行状、経歴、素質、環境等について、医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的智識特に少年鑑別所の鑑別の結果を活用して、これを行うように努めなければならない」という科学主義を明言する規定である。この科学主義こそ、少年法の目的、「健全育成を期す」（１条）即ち成長をサポートする、の基盤にあるものである。
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