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バランスの死角~検証・東京都予算原案(1)/特例加算874億円に救われる/余力残した基金・起債/皮肉な臨時収入

「将来を見据えて強固な財政基盤の堅持に心を砕いた『総額抑制・重点配分予算』」
 石原知事は20日の記者会見で、12年度予算原案をこう表現した。
 都税収入は、都政史上初めて5年連続で減少した。それでも基金残高は、12年度末見込みで8369億円を確保。都債は前年度比で7・7%増の4935億円を計上したが、起債依存度は8・0%にとどまった。
 起債の規模や基金残高がどの程度なら危険水域になるかは、「一概には言えない。全体の財政規模の中での比率にもよる」(財務局)。バブル崩壊後には最大1兆円を超える都債を発行した年度もあった。石原知事が就任した当初の財調基金残高はわずか200億円と、スズメの涙ほどしかなかった。
 将来の税収が見込めない中で、8年連続で投資的経費が増加するなど、インフラ整備に積極的に財源を振り向けた一方で、都債も基金残高も適正規模を維持したバランスの良い予算だと言える。
 基金と都債をどう活用するのかは、6日から行われた知事査定でも議論になったという。石原知事は、基金をある程度維持する意向が強かった。都税収入が望めない中では都債に頼るしかない。
 結果としては、都債は5千億円の大台には乗らず、基金は1兆円台を切ってしまったものの、8千億円台を維持した。これが理想的なバランスかどうかは様々な議論があるだろうが、財務局は「一線を越えなかったことは大きい」と評価する。
 起債と基金のバランスを保つことができた決定的な要素は、思わぬ臨時収入にあった。それは、国が都に配分する地方法人特別譲与税に特例的に加算された874億円だ。この臨時収入が入ると分かったのは、予算編成も大詰めに入った年末ギリギリのことだった。

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