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今週の都政新報
 

東京最前線/時論政論/さまよう被災者/住宅再建のあり方再考を

 阪神・淡路大震災から17年。被災地・神戸では時折、民間の賃貸マンションの一室で孤独に死を迎える老人がいる。部屋は、2LDKや3LDKといった一人暮らしには似合わない広さ。調べてみると、その部屋は被災者向けの「借り上げ公営住宅」に設定されている。
 兵庫県や神戸市が震災で家を失った被災者に対して、UR等を含めた民間賃貸住宅の空き室を公営住宅として借り上げた。公営住宅なので、民間の賃貸よりも家賃は格安だ。高い家賃を払っている一般の入居者とはうち解けにくく、近所付き合いは少ない。家族を震災で亡くしている。高齢化が著しいのも特徴的だ。
 彼らはそこを「ついの住み家」だと思っていた。ところがある日、県や市から1枚の通知が届く。契約期間が終わるという理由で、部屋の住み替え(明け渡し)を求めるものだ。震災で自宅から、避難所、仮設住宅、そして借り上げ住宅へ。年老いた被災者は4度目の転居を迫られている。

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